寒苦鳥の窓 その㊴【ものづくりの心と消費者マインド】
2022年2月7日 09時30分今日もアクセスいただきまして、ありがとうございます。
指先のわずかな塩は食パンの二百枚の味を左右せり
これは、過日になりますが、愛媛新聞の歌壇に掲載されていた句です。作者は、中学校の同級生で、地元でパン屋さんをしています。笑顔がとても素敵です。家族でやっていて、お店自体がほんわかした感じです。彼のお父さんもお地蔵さんのような笑顔で、おいちゃんの笑顔を見にお店に行っていました。
その日の朝、友達に新聞に出とったねと電話した時、「いくおくん。本当に塩加減が難しいんよ。ちょっとした加減で出来が大きく変わるんよ。砂糖などはそこまでじゃないんけど、塩はその時の気温や湿度、粉状態などで、どのくらいにするか、いつも緊張するんよ。」と、教えてくれました。
ところで、私はつねづね、本校の生徒や先生方に、「もの言わぬものがもの言うものづくり」ということをお話しながら、「ものづくりをする心構えとして、いかに買っていただいた方、使う方のことを考えたものづくりができるかが大事よ」と言っています。
そんな私は、塩加減の大変さ・苦労に思いを巡らせることなく、ただむしゃむしゃと・・・。食べ物でも道具でも服でもなんでも、つくり手の方に意識を向けることができる私でありたいなあ、と反省をしたその日でした。
長くなりますが、有り難いご縁をいただいた出西窯の多々納弘光さん(昨日のテレビ番組(アーカイブ)を拝見してとても懐かしくて)に教えていただきました、陶工河井寛次郎さんの「仕事のうた」を紹介させていただきます。
仕事が仕事をしています
仕事は毎日元氣です
出来ないことのない仕事
どんなことでも仕事はします
いやな事でも進んでします
進む事しか知らない仕事
びっくりする程力出す
知らない事のない仕事
聞けば何でも教へます
たのめば何でもはたします
仕事の一番すきなのは
苦しむ事がすきなのだ
苦しい事は仕事にまかせ
さあさ吾等はたのしみましょう
ではでは、明るく楽しく軽やかに、ハッピーに!